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<ネタバレ>大島渚監督が「戦場のメリークリスマス」で起用したたけしと坂本龍一を再び起用して手掛けた時代劇で、テーマも新撰組内の男色という似通ったものになっている。戦メリを再見したのでこちらもついでにと15、6年ぶりに再見したが、話は戦メリよりわかりやすいものの、戦メリが直接的な同性愛描写自体は思ったより少なかったのに対し、こちらはストレートな同性愛映画になっていて、以前に見たことのある映画にも関わらず思わず面食らってしまった。でも、これがデビュー作となった主演の松田龍平の妖艶な雰囲気が見事に映画にマッチしていて、彼の存在が映画を支えていて、本作での彼が演じる加納の存在は映画の中だけではなく、映画のクオリティ的にも重要なものとなっていて、今の癖のある松田龍平の演技も良い(出演作を見ながら松田優作の息子であることを忘れてる時がある。)のだが、やはりこの加納役はこの時期のまっさらな初々しい松田龍平でなければとあらためて思う。演出的には状況説明を無声映画風字幕で行うというのが面白かったのだが、二か所だけそうではなくナレーター(佐藤慶)により説明されるというのはなにかチグハグな感じもして、どちらか一方に統一したほうが良かったと思う。以前に見たときにたけし演じる土方が桜の木を一刀両断するラストカットがすごく印象に残っていたが、やはり今見てもここは好きだ。戦メリと違って役者としては参加していない坂本龍一の音楽も好きだな。全体的な出来としては戦メリのほうが良かったけど、本作も決して嫌いではない。(2020年1月25日更新)