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坂本竜馬を描いた作品というと、まだ小学生だった15年くらい前にNHKで放送されていたアニメ「おーい!竜馬」の印象が未だに強く、竜馬本人のイメージも爽やかな青年という印象だが、そのイメージを覆すようにこの映画の竜馬はアブラギッシュで汗臭く、濃いキャラクターに描かれていてなおかつ演じる原田芳雄がそのキャラクターに非常にマッチしていて新鮮に感じた。相棒・中岡慎太郎を演じるのが石橋蓮司。この16年後に作られた同じ黒木和雄監督の「浪人街」を先に見ているものだからまたこの二人の濃いキャラクターが黒木監督の映画で見られたのが良かった。(時系列にいくと本作が先なのでこういう書き方は少し変なのだが。)70年代の映画にもかかわらず、それ以前に作られた映画のようなざらついた白黒の映像、そして時代劇にもかかわらず、70年代の時代の雰囲気が伝わってくるような演出も効果的だった。ラストの「ええじゃないか」の踊りの中に消えていく中川梨絵が印象的で見終わったあと余韻が残るのもいいし、テーマ音楽も良かった。しかし、少し時間が長く感じたのがちょっと残念だった。まあ、見ている時の自分が少し疲れていたせいもあったかもしれないが。[良:1票]