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<ネタバレ>シリーズ第3作。1作目のジョン・マクティアナン監督が復帰した今回はマクレーン以外の前作までのレギュラーが登場しない、劇中の時期がクリスマスではない、舞台が特定の場所ではなくニューヨーク全体、マクレーンに最初から最後まで一緒に行動する相棒がいるなど前2作のパターンを破って新しい展開を見せている一方、ストーリーは2作目を半ば無視して1作目の直接的な続編のようになっていて、マクティアナン監督の「これが自分のダイ・ハードの続編だ。」という声が聞こえてきそうな作品になっている。初めて見た時は前2作との違いに少し戸惑って物足りなさを感じていたのだが、今見ると1作目より劣るものの、2作目よりは面白かった。前作ではヒーロー然としすぎていた感のあったマクレーンが今回は停職中に二日酔いの状態でサイモンに指名されて呼び出され、グダグダ言いながら奔走するのは1作目のマクレーンのイメージにだいぶ戻っている感じでなかなか良いし、(でも、1作目ではここまで頼りない感じではなかった。)黒人のゼウスとのコンビも典型的なバディームービーのパターンなのだが、やはりこのコンビぶりが良い。それにサイモンが二人に仕掛けるクイズを解きながら場所を移動していくのはスリルと緊張感があり、これまでとは違った面白さがある。ゼウスが人種差別意識を持っているというのは今回見るまですっかり忘れていたが、あくまで味つけ程度でそこまで踏み込まないのはちょっと中途半端に思うもそれをやると娯楽映画ではなくなってしまうというのがあるのだろう。いつもマクレーンがもっとも運の無い男とされるシリーズだが、今回はマクレーンではなく、このゼウスがそれに該当するのも面白い。クライマックスはタンカーが舞台になっているが、これは、本作が企画段階では船を舞台にする予定だった名残だろうか。(「沈黙の戦艦」に先を越され変更。)それにしてもこういうニューヨークが舞台の大規模テロ事件を描いた映画、911後の現在ではもう作られないかもしれない。(2023年1月12日更新)