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<ネタバレ>冒頭の有名な「ジュテーム、ジュテーム(愛してる、愛してる。)」の電話口のジャンヌ・モローのせりふからもうかなり印象的で、シンプルなサスペンスながら、白黒の映像が緊迫感を出しているし、ルイ・マル監督の演出はこれがデビュー作とは思えないほどにスタイリッシュで、見ていて思わず惹きこまれた。映画全体の雰囲気がかなりよく、ストーリーそのものよりはこの雰囲気で魅せられてしまう映画だと思う。マイルス・デイビスのジャズも非常に効果的で、この音楽がなければ映画の魅力が半減してしまうのではないかと思うくらいにこの映画の雰囲気に合っていて、特にジャンヌ・モローが夜の街を歩くシーンは彼女の美しさと音楽が見事に調和していて、とても印象に残るし、またこのシーンだけで彼女の心理描写がうまく表現されているのもよかった。実はこの映画を見るのは初めてではなく2回目だったのだが、最初に見た時はまだ中学生(15年くらい前。)でハリウッド映画を中心に映画を見ていたため退屈だった記憶があるのだが、久しぶりに見てみると、このなんともいえない雰囲気に魅了されてしまい、とても良い映画だと思った。やはり映画の感想というのは時を経て変わるものなんだなあと実感できた。