1996年といえば「インディペンデンス・デイ」や「メン・イン .. >(続きを読む)
1996年といえば「インディペンデンス・デイ」や「メン・イン・ブラック」といった、CG映像ならではの
映画がまだ驚きをもって迎えられていた年。その中にあって本作「ドラゴンハート」は、登場人物(?)の
一人(1体?)を完全にCGで作り出し演技させてしまったという挑戦的な作品だ。これを境に映画のCG技術は
背景や効果等の裏方から抜け出して、アクターの領域を侵し始めることとなる。
1993年に公開された「ジュラシック・パーク」と比べると、本作のドラゴンは細かな部分で実在感に乏しい。
重量や体臭や翼圧といったものを感じさせない。技術的には可能であったはずだが、何らかの理由で
そうした部分を省いているように思う。(やっぱり予算でしょうか)
そのかわりにドラゴンの仕草や表情は、人間と並べても遜色ないものに仕上がっている。観客はいつしか
ドラゴンに親しみを覚え、そこに友を見るでしょう。それは本作が目指した課題であり、
十分に達成されたと言えるのではないでしょうか。