少年にとっては、この世界には一切の間隙もなく、音と思念と観念 .. >(続きを読む)
少年にとっては、この世界には一切の間隙もなく、音と思念と観念が溢れている。事象全てが興味を引き、世界は限定されつつも、限りなく深い。エピソードでなく、観念的なもので見せる映画でした。映像詩ですね。中東の民族衣装の鮮やかな色彩、生彩のある伝統音楽。多用されるベートーベンの音楽も、まるで中東に根付く伝統音楽のように錯覚する。あのダダダダ~ンもそもそも、運命の扉を叩く音。大家が家のドアを叩くのもまた、母子の運命を左右する音。遊び心というか、ちょっと思い付かない独特の引用だと思う。個人的に主人公の少年(小ネタで既出ですが、実は少女)が、ショートカット時のモデルの今宿麻美に見えて仕方なかった。