発端は小さな子らの喧嘩。そして、悲しくて伏せた睫毛は目の下に .. >(続きを読む)[良:1票]
発端は小さな子らの喧嘩。そして、悲しくて伏せた睫毛は目の下に「影」を作るし、悔しくて握り締めた拳の中にも小さな「闇」が出来る。些細な悲しみと怒りが、影と闇を生み出す。そしてそんな取るに足りないような影や闇でも、人間を侵食するに十分な力を持ち、その機を狙っている。白い絵の具と黒い絵の具、同量を混ぜたらどっちが勝つかなんて、やってみなくても誰でも分かる。同じ質量なら、正の力が負の力に敵う訳なんかない。それは増幅する。影は人を覆う。闇は世界を席巻する。どんな戦争だって発端は、小さな子らが作り出した、目の下や拳の中の、ほんとうにほんとうに取るに足らない影と闇に過ぎない。変な邦題に騙されてはいけない。これは立派な反戦映画だ。そこにあるのは、最も根源的な「戦争」の姿なのだから。[良:1票]