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<ネタバレ>トロの眼差しになぜか「ブリキの太鼓」のモラトリアム少年を思い出した。ダイレクトに本質を突いて来る、子供の特権たる無垢な残酷性。強烈に語る目。雄弁より物語る沈黙。キリスト教に根差したこの作品を私がどれだけ理解出来たかは謎だし、正直深く探求し分析しようとも思わないけれど、あのラストシーンのトロの目には何かを射抜かれたような気がした。キリストでないことに挫折出来なかった1つの魂の壮絶な選択。トロは最後までキリストでありたかった。キリストであろうとした。ゴルゴダに向かうキリストのように、あの列車に乗って行ってしまった。あの眼差しを残して。