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BARがタイトルに入っている映画を借りて、今度は当たりだった。成人してはいるものの、数年にわたる田舎漁港近くの軍役でモラトリアム生活を続けている息子と、ローマに住むやり手の弁護士として、キャリア的にも、金銭的にも成功しているらしい父親との間で繰り広げられる小品。父親は、自分が成功しているだけに、息子がくすぶっているようにみえるのが、歯がゆく、心配でしょうがない。そこで単身、息子の様子を見に、朝方兵舎の前に予告無く現れる。急に押しかけられた息子の側はいい迷惑だと思いながらも、実の親なので帰ってくれというわけにもいかず、一日相手をする、というストーリー。父親は親バカ丸出しで、息子に様々なプレゼントを用意していたのだが、ちゃらんぽらんな生活をしていると思っていた息子が、どういう贈り物ならいらなくて、どういう贈り物なら喜んでもらうのかの基準が結構しっかりしているので、好感が持てる。息子の彼女の家にまで行って、父親が彼女と二人だけになったときに発する質問が最高にお茶目で、かつ、涙は出ないけど泣ける。イタリア人らしく、父子の会話はジェスチャーを交え途切れることなく続き、日本人の私からするとよくもそんなにしゃべることがあるなと思うくらいなのだが、それだけに、最後に列車の客室で二人が言葉少なに正対する場面が印象的。そのときに、通路側の窓越しに交差する列車を見せてその音を聞かせているのが、お互いを初めて心から認め合った瞬間と重なり、堪らなくいい演出だと感じた。