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<ネタバレ>まずいわせてもらうと、JFK空港はあんなにきれいではない(私の知っている限りでは、だが)し、米系航空会社であんなにきれいかわいいアテンダントは見たことない(笑)。それはさておき、それなりに面白かったと思う。私も宣伝から「感動ヒューマンドラマ」かと思っていたが、実際には「ファンタジーコメディ」とでもいうべきもので、泣くようなことはなかった。ストーリーは、まさに実写ファンタジーそのもの。ありえないけれど、観ていて楽しい展開ではあった。 しかし、ファンタジー基調ながら、ポイントポイントでリアリティが顔をのぞかせる。アメリアと決して結ばせることをしなかった「運命」はその最たるもで、そこだけは映画の他の部分から切り離されて、切ないだけではなく生々しくすらあった。この描き方は賛否分かれるかもしれない。 そこで私は、唐突ながら、『もののけ姫』との対比を試みたい(以下、『もののけ姫』のネタバレ有)。考えてもみれば、アシタカとビクターの境遇は似てはいないか? 使命を胸に故郷をあとにし、異郷で美しい女性と出会う。最初は孤独だが、次第に仲間ができるのも共通する。そして、『もののけ』ではアシタカは故郷を捨て(?)、サンとともにある生活を選ぶ。対してビクターは、アメリアと一瞬クロスオーバーするも、そのまま別れゆき、故郷へ戻る。前者はどこかアシタカとサンの関係に一種の「甘さ」を残すが、後者はそこは冷厳にリアリスティックに描いた。どちらを是とするかは、これはもう好き好きの世界だろうが、間違いなくいえるのは、『もののけ』はあの描き方によって消化不良感が残り、本作はこの展開によって印象を強くした。スピルバーグの手練れというべきだろう。 にもかかわらず、私もラストは物足りず、中途半端感が拭えなかった。ということで、6点也です。ラストで1~2点は損したと思う。