<ネタバレ>(いまの時点の)平均点が3.78とは意外だった。どこまで理解 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>(いまの時点の)平均点が3.78とは意外だった。どこまで理解できているかはわからないが、私にはそれほど酷い作品とは思われなかった(個人的にこういう映画が好きだから、だが)。
人間にとっての生とは何か。人間は脳によってものごとを認知し、思考しているのだから、もし脳への神経刺激を究極まで精緻にすることができたら、実体験なしに脳への刺激だけで私たちは実体験に等しい生を生きられるはずである。この考え方はデカルトが考え出したもので、それをそのまま下敷きにしてつくられたのが『マトリックス』だ。
本作は『マトリックス』とは少々違う切り込み方で人間の生を問うている。実体験と究極の神経刺激にどこが違いがあるのか? もしオリジナルとコピーのあいだに相違がなければ両者に違いはあるのか? もし神経刺激やコピーのほうに価値を見出すことができたとしたら、そちらが生の真実とはいえないのか? もし実体験やオリジナルに何の刺激や価値を見出すことができなくても、それでも実体験やオリジナルのほうに意味があるといえるのか? 本作にはSFラブロマンスに終わらないものが含まれていると思う。
映像の美しさもこの映画の魅力。ただ、女性が別の女優でもよかったとはたしかに思う。