<ネタバレ>名奇作としてきわめて評価が高く、これを評価しないヤツは見る目 .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>名奇作としてきわめて評価が高く、これを評価しないヤツは見る目がないというムードさえある本作。でも……これって、そんなにいいんだろうか? いいたいことはわかる気はする。表と裏、一般論と個人の本音のギャップ、権力と反権力と反権力という権力、善と悪と悪が除かれた悪(悪を犯しさえしなければそれでいいのかという問題提起=「時計じかけのオレンジ」でいいのか)、大義名分の影にあるご都合主義、表面的なものでしか成否や幸不幸を測れない社会……さまざまなテーマあるいはサブテーマがシニカルな映像のなかにほの見えはする。また作り方も実験的でその意図と意欲は買う。 しかし、世の中のありとあらゆる欺瞞を告発する本作の主張はわかるが、要するに強い感銘は受けなかったのだ。怖いとも感じなかったし、メッセージに心を揺さぶられることもなかった(「わかる」のと「心揺さぶられる」のは違う)。「ああ、なるほどな、工夫してつくったな」と思いはするが、インスパイアされはしなかった。であれば、したり顔で「これは、傑作だ!」と通ぶることは、私にはできないのである。ということで、5点也です。でも、あのサイケなアートセンスは気に入りました。[良:1票]