<ネタバレ>プリマドンナの夢をあきらめて妊娠・出産した母の主人公に対する .. >(続きを読む)
<ネタバレ>プリマドンナの夢をあきらめて妊娠・出産した母の主人公に対する過度な希望と、それに応えようとする作られた良い子像。しかしその内面では反発するする悪魔が存在していた。悪魔が目覚めたとき、どうしても超えられない山の頂へと誘うが、それは自滅への始まりだった。理想的な黒鳥を演じるためにライバルを殺す悪魔の自分。そこまでやってのける主人公は黒鳥そのものだ。しかし、完璧な演技の後に清廉な白鳥を演じなければならないが、すでに自分は悪魔。ところが、殺したと思っていたライバルは死んでいなかった。「ああ良かった、私は誰も殺していない良い子だったんだわ」と、胸をなで下ろしながら迎える衝撃的な結末。悪魔と良い子の壮絶な戦いに、良い子が勝ったとしても、一時的にでも悪魔に魂を売ってしまった自分に対する贖罪がこの結末とは!しかし、身に起きた悲しみや絶望によってより完璧な白鳥を演ずることができたのだ。悲しくて、怖くて、そしてナタリーがやたら美しく迫力のある映画だった。