誰もが指摘するように、マリオン・コティヤールがすばらしい。フ .. >(続きを読む)
誰もが指摘するように、マリオン・コティヤールがすばらしい。フランスを代表する美人女優さんの1人だと思っていましたが、そんなイメージを良かれ悪しかれ一掃するような迫真の演技でした。特に終盤の老いた姿(といっても40歳代)は、嫌が上にも死期が近いことを感じさせてくれます。人間はこうやって萎れていくんだなあと。
ただし、ドラマとしては今ひとつ。主人公の再現に力が入っている一方、ストーリーらしいストーリーはないというか。だいたい、いろいろな人物が入れ代わり立ち代わり登場し、特に後半は取り巻きのスタッフも大勢いるわけですが、顔と名前を特定できたのはほぼ「マイケル」のみ。私の注意力散漫のせいでもあるでしょうが、1人を除いて誰とも深くは絡んでいない感じがします。そのマイケルの登場も、長い上演時間の一部でしかありません。それだけ孤独な人生だった、という演出かもしれませんが、何か物足りなさが残ります。
それを補って余りあるほど、マリオン・コティヤールがすばらしかったと言えばそれまでですが。