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<ネタバレ>今さらながら初見。聞きしに勝る傑作でした。とにもかくにも仲代達矢がいい。威厳や怖さを存分に放つ一方で、妙にコミカルで単純でエロさもある。実に人間味溢れる親分でした。そして終盤の没落と、殴り込みと、落胆しつつ去る姿がまた美しい。
それから鬼龍院花子=夏目雅子だとばかり思っていたのですが、冒頭で違うと知って驚き。むしろ花子の出番は少なく、ほとんど夏目雅子が主役でした。しばしば訪れる涙を流すシーンも、有名なタンカのシーンも、これまた美しさに溢れています。
しかし、やはりこの物語はこのタイトルでしかあり得ない気がします。結局、仲代達矢も夏目雅子も岩下志麻も、花子に翻弄される人生でした。それからもう1つ、この映画では描かれていない部分があって、邪道ながら最後まで見た後で冒頭のシーンを見返すとはっきりします。一連の騒動の後、花子がどういう「生涯」を辿ったか、どんな境遇で手紙を残したか、想像するだけで息が詰まりそうになります。40年も昔の映画に感情移入するのもアレですが。[良:1票]