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予備知識完全ゼロで見ましたが、これは面白い。ある種のホラーというかサイコサスペンスというか。ヒッチコック風味に高度成長期の日本的な湿気や清貧を混ぜ合わせた感じ。「大岡越前」の影響か、超絶正義の味方&超絶イケメンの印象が強い加藤剛が、こういうマジメで神経質そうな主人公を演じているのもまた一興。幼少期の記憶とオーバーラップさせることで、物語の展開にも説得力があります。
ただし、このタイトルの意味はよくわかりません。
それからもう1点。結局、もっともハラハラしたのは冒頭のシーンだったりします。けっこう混んでいるバスの中で、岩下志麻が偶然再会した加藤剛に向けて、名前だの居住地だの出身地だのベラベラ喋りまくってます。個人情報保護の観点から、今日ではあり得ないでしょう。無神経だなあと思う反面、当時はそんなことをいちいち気にしないおおらかさがあったのかなという気もします。加藤剛の神経質を、現代人は笑えないかもしれません。