見どころは平幹二朗との一騎打ちのシーンでしょうか。勝負自体は .. >(続きを読む)
見どころは平幹二朗との一騎打ちのシーンでしょうか。勝負自体はあっさり終わりますが、さすがに空気がピンと張り詰めて迫力がありました。除夜の鐘を聞きながら、というのがまた渋い。
他は相変わらず。悪代官と悪名主みたいなヤツが結託して庶民をいじめ、悪党一派が賭場を開き、結局は座頭市にすべて掃除されて終わり。やっていることは毎回同じです。
しかし、同シリーズを何本か見て思いました。最大の見どころはオーラスのワンカット、夕暮れに1人で佇む座頭市の姿なんじゃないかと。大勢を救っているのに誰からも見送られず、ヒロインさえも登場せず、ただ消え去るのみ。その寂寥感が心に沁みます。ほぼ同時代に観客動員数を競ったであろう「男はつらいよ」の場合、オーラスは常にハレの日の明るい昼間、威勢のいいテキ屋のシーンでした。この対照性がなかなか面白いかなと。