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全体的にトーンが調整されておらず、中途半端な印象を受けました。また、話題の殺陣シーンもCGの使いすぎで、超能力戦争みたいな感じになってしまって、あまりカッコいいと思えません。個人的には、畑を耕すシーン、大工のカンナや金槌のシーン、タップダンスのシーンは秀逸だと思います。しかし、時代劇のドラマ部分とマッチしておらず、なんだか妙でした。もっと徹底的に全編に渡って映像に凝れば良かったのに、と思います。最近の時代劇ではTV版鬼平の映像が際立って美しいと思っているですが、鬼平の場合奇抜な色使いをしたりジプシーキングスを音楽に使っても、全体の調和が崩れることはありません。座頭市は、良いアイデアが随所に見られるだけに「惜しい」です。ところで、この映画は海外の映画祭での受賞の多さでも話題になりました。でも実情は、TAKESHI KITANOという名前だけで受賞している感じです。カタルーニャ国際映画祭の作品賞も受賞しましたが、バルセロナの映画館は土曜日の夕方にも関わらず座席が1割程度しか埋まっていない閑古鳥状態でした。隣のホールで「ロスト・イン・トランスレーション」が長蛇の列を作っていたのと好対照です。