ウチの親が言っていた。「黒澤明は娯楽映画のイメージなんだけど .. >(続きを読む)
ウチの親が言っていた。「黒澤明は娯楽映画のイメージなんだけどねぇ」と。私には黒澤監督は『影武者』以降の大作時代劇か小難しい観念映画を作る大巨匠というイメージである。本作は娯楽作としてツボを心得た粋な映画だ。緊迫した若侍たちと明らかにテンポのずれた奥方と姫君の能天気ぶりが最高に可笑しい。奥方にかかってはさすがの三十郎も形無しである。人質役の小林桂樹もいい味出してる。この3人のおかげで『用心棒』より面白味が増している。ラストの三十郎の機転には大いにウケた。豪放磊落、頭もキレる。なるほど、日本映画屈指のヒーローだけあり、親の意見にも納得。