前作ドッグヴィルに比べ、あの舞台演出であることの有効性が少な .. >(続きを読む)
前作ドッグヴィルに比べ、あの舞台演出であることの有効性が少なかったかなと思う。地平線がよく写らないし、むしろ人間ばかりで、壁の無いことの効果をもっと有効に使っていかなければ、意味が無い。でも、ああいう環境が「普通」になってきたことは僕にとってはとても気分いいことである。そして他の映画作家がああいう表現を真似たとき「ドッグヴィルのパクリだね」といわれるだろう予測も心地よい。
作品の内容として、ドッグヴィルより説明っぽくなってしまって、生々しさが薄れてしまった気がする。もっと理屈や決まりをぶっ壊す感覚がほしかったね。それは建物が崩れるように、人間性が崩れる、そういう崩れっぷりがこの監督の見ものであった気がします。とはいえ、3作目「ワシントン」も必ず見たいです。