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<ネタバレ>9.11の背景として必要な政治色やテロリズムの匂いがあまりしなかったので、映画としては物足りないと確かに感じはしたが、それは私が恐らく現場にいなかったからだと思う。あの規模の被害状況では、現場にいた人々にとって、人災だろうと天災だろうと、救いたい、救われたい、という祈り以外、何も考えられなかったはずだ。その緊迫感に驚かされた。まさに、映画は天災に見えた。敵の姿が誰1人として映らず、とりあえず戦うべきは崩れ落ちるコンクリートの瓦礫だったからだ。9.11らしくない、と思うのは、ニュース番組などの解説によって先入観に毒されているからで、あの映像はやはりリアリスティックに描かれていると思う。がれきの下敷きになった2人が聞いていた轟音は、紛れもなく100階以上の超高層ビルが崩れる音で、半端な迫力ではなかった。大勢の死者が出たのは間違いはないが、死の淵をのぞきながら生還した人も確かにいたのだ。その喜びは素直に祝福したい。[良:1票]