遊び心がいっぱいの楽しい映画だ。「上達する課程にリアリティが .. >(続きを読む)
遊び心がいっぱいの楽しい映画だ。「上達する課程にリアリティがない」といった意見が多いようだけれど,「そんなつまらんことをいちいち説明する必要はない」と監督は考えたのだのだろうし,実際私もそう思う。「上達する課程」など説明せずとも,素人だった出演者が実際に演奏しているのだから,演奏のリアリティとやらは十二分に生まれているでしょうに。まあ,こういうことを言うと「事前知識が必要な映画など邪道」と言われそうなので念のため言っておけば,そういう「宣伝織り込み済み」みたいな人を食ったようなところも,この映画の遊び心の発露のひとつ。いってみれば,ウォーター・ボーイズが「ストレート」なら,スウィング・ガールズは,ひと捻り加えた「カーブ」のようなもの。変化球に対して「曲げるなんてずるいぞ」って感じる人もいるかも知れないけど,でもこれ「スウィング」だよ。曲がって当然,怒るのが野暮ってもんだ。