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<ネタバレ>何ともやりきれないラストではあるのだが、感動も並ではない。しかも爽やかな余韻さえ感じられる。この矛盾したような感覚はなぜなのだろう。不幸な生い立ちの中、唯一尊敬できる人間にめぐり会え、そのボスの教えを守りボクシングに人生をかけるマギー。「自分を守れ」。努力は報われ、チャンピオンと人生の勝利に手が掛かりかけたが、不運が彼女を襲う。エディは失明した最後の試合にこだわりがあり、フランキーは娘や宗教との関係にこだわりがある。マギーは母親との確執とこのまま年齢を重ねることへの葛藤がある。それぞれが持つ苦悩は、人間としての尊厳をどう守るのかと言う、自分自身との戦いでもある。尊厳へのこだわりは、「自分を守る」ことなのだろう。マギーの最後の涙は、最後に人間としての尊厳を守ってくれたのが、最愛の人であった感動の涙なのかもしれない。[良:2票]