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<ネタバレ>他に精神分裂症(統合失調症)を題材にした映画は「ビューティフルマインド」しか知らないですが、その時の相手役のジェニファー・コネリーは、献身的だけれども冷静に判断できる良妻だったと思います。今回アシュレイ・ジャッドが演じたのは、過去に傷を負い、Poorで自信がなく、DRUGに頼り、寂しくてDV夫とも縁を切れない。人生を出直したければ、酒屋の仕事を捨て、あのMOTELを去るはずなのに。レズビアンでもないが、仲良く話せる女友達という繋がりだけ。誰でもいいから、傍にいて欲しい、でも環境が悪く、それを変えていない為、いつまでも寂しさを引きずっているという感じに思えた。ある意味、誰でも簡単に陥るパターンで、経験したことなくてもこの女性の弱さを理解できる人は精神科医でなくても多いのではないでしょうか。この女性の住処にフワッと虫が止まるように引き寄せられ、運命の出会いを果たしたのが、湾岸戦争の帰還兵で精神病となった男。二人は心の傷を舐め合うように、一気に親密になる。親密といっても、心の傷を持ったもの同士は、必然的に惹かれあい、どちらかを泥沼に引きずり込むようで、弱い者同士はくっついちゃいかんという監督のメッセージを感じる(監督の真意は"?")。共依存のセリフ「私がいないとこの人はダメなのよ。私の大事な人」といい、正常な他者を拒絶する。テーマがBUG「虫」で、相手の男が「戦争帰還兵」(これも事実かどうかは?)という設定だから外国のお話と思うけど、テーマがSAKE「酒」orDRUGで、相手がアルコール依存症、薬物依存症であれば、近くでも人々が苦しんでいるのではないかと、ちょっぴり背筋が寒くなる。クライマックスで二人の妄想の発展が凄まじく、だけと男の言っていることは真実かもしれないとふと思わせる。監視社会が現実になっていそうだから。精神病者と正常者、この線引きが素人には難しくなる時代になるのかも・・・