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<ネタバレ>少し退屈な作りだ。豪華女優の演技合戦が見たいわけでもないが、ここまで静かにあっさりしていると拍子抜けする。ただ後半から、「養子が欲しい女たちの物語じゃないぞ」と感づいてからは、退屈の一言で掃き捨てるわけにいかなくなってきた。舞台は明言されてはいないが南米の国。職は不足し、ストリートチルドレンが走り回り、育てきれない赤ん坊が北米に養子に行くケースも少なくはない国。この国の未来を、子どもをなかなか授かることのできない北側の女性の寂しさとを絡めて、静かに憂えている。「人生には星の数ほどのチャンスがある」というセリフがあったが、それを掴めるのはほんの一握りの人々であるのも事実。ハズレくじが風に舞う画は印象的だった。『ウェスト・サイド・ストーリー』のリタ・モレノが元気でスタイル抜群なおばちゃんで登場していた。40年以上も前に『アメリカ』という曲で「私はこの国でやっていくわ!」と力強く歌いしなやかに踊った彼女が、南米の熱い空気の中で溜息をつく熟女役を演じたのにも、何か意図を感じた。