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<ネタバレ>まるで蜘蛛の巣のように、常に緊張の糸がビチッと張られていた2時間。言葉も音楽も無く銃の音ばかりが響く映画なんて正直なところ私の趣味ではないんだけれど、これはなかなか面白かった。「不条理」をオカッパ頭の人間に仕立て、そいつを蜘蛛よろしく縦横無尽に動かして、それこそ埃のようにこの世のそこここに舞っている理不尽な衝撃を体現させていた。彼は最後重傷を負いながらも自分の足でスタスタと去っていく。そしてまた誰かの隣に悲しげな顔で立ちはだかるのだろう。映画館を出て、一歩二歩と進むのが億劫になるくらいダウナーな気分になる。なのに何か惹かれる黒い物語だ。