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フリーダ・カーロの自画像を観てギョッとしない人はいないだろう。自分の全身に釘が刺さった絵を描くような、慟哭の画家だ。彼女にとても興味を持っていたのでこの映画は前々から楽しみだった。全体的には、自らの痛みを表現する彼女の情熱よりも、夫ディエゴを想う女としての色合いを強く感じ、もっともっと沢山の作品と人生を絡めて紹介して欲しかったと思う。しかし、のっけから画面に溢れるビビッドな色や音楽は、なじみの薄いメキシコという国に強烈なイメージを持たせ、メキシコを一番行ってみたい国に昇格させた。時折入るアニメーションのシーンなども上手な使い方だと思う。そしてサルマ・ハエックは情熱の人を見事に演じていた。本人も感無量なのではないかな。