<ネタバレ>堕胎に近親相姦、負傷兵まで登場し、テーマは「生きていくうえで .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>堕胎に近親相姦、負傷兵まで登場し、テーマは「生きていくうえでのルール」。こんなに重たいものが揃っているのに、ちぎれ雲がぽかっと浮かぶ空みたいな、穏やかな流れがとぎれない映画だ。大きく貢献しているのは孤児院の子どもたち。ハルストレム監督の映画の特徴「魅力ある子ども」がわんさか出てくるのだ。老夫婦にもらわれていく女の子、病気で他界する男の子、主人公に片思いするお嬢さん、でき過ぎなくらい可愛いのだ。ホーマーを演ずるトビーがいつも抑え気味の表情なのに対し、寂しげな顔まで本当にこっちの心をギュウッと握るのだ。私は園児たちでキングコングを見るシーンが好きで、いつも同じシーンでフィルムが止まっちゃうときどうしても微笑んでしまう。だれでも経験したことのありそうな楽しい暖かな時間を感じる。みんなの優しい父代わり、ラーチ先生のオスカー受賞はこの子どもたちのおかげだと思っている。「井の中の蛙」ホーマーがリンゴ園での日々で何かを感じ取り、心を決めたときの顔も素敵だった。そして孤児院に戻り、亡きラーチ先生と同じように、ベッドの中のチビ達に「イングランドの王子・・・・」と語りかけるラストで、心からの笑みが漏れてしまう。優しい気持ちになってしまう。[良:1票]