<ネタバレ>子供の笑い声で泣けた事は、おそらくこれが始めてです。それほど .. >(続きを読む)
<ネタバレ>子供の笑い声で泣けた事は、おそらくこれが始めてです。それほどテーマ性に優れており、恐怖とそして希望を感じずにはおられない。次々と礎になって死んでいく強調者達。絶え難い悲しみと絶望に耐えながらも必死に親子を守る男。これが単にホームドラマのようなセットだけの人間模様や、ハリウッドの様にVFXを多用しわざとらしくありえない演出なら、こんなには感情移入できなかったと思いますが、映し出される映像のリアリティには、CGにはできない息づかいまで感じられ、身の毛がよだつほどです。主人公の後をまるで従軍カメラマンの様に淡々とついていくカメラワーク、しかもその切れ目がまったくわからないほど自然で、まるで自分が本当にそこにいるかのような現実感。いわゆる「長回し」という技術だそうですが、これがハンパではない。2時間の映画内容のうち約半分がこの技術を使っていると思う程自然に、ふんだんに使用されています。この類まれな技術が、この作品の基礎となり、テーマ性を盛り上げてくれました。さすが、ロサンゼルス映画批評家賞では撮影賞を受賞をとっただけの貫禄があります。そしてキーの最後の言葉に泣き、そしてエンドロールの楽しそうな子供達の笑い声に、思わずむせび泣けました。文句無しに9点。