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私は「地球を守ろう」という言葉が嫌いだ。何と傲慢な言葉だろう。木を伐らないことも、海や大気を汚さないことも、全ては人間の未来のためであって、わざわざ「守ら」なくても地球それ自体は銀河系に生き続けるのに、地球が人間という生き物を創造した時点で自然環境が破壊されることなど予想範囲内だったかも知れないのに、まるで地球の運命がヒトの手の中にあるかのようだ。
ナウシカはその小さき身体で、人間など自然の前では無力で取るに足らないものであるということを感じ取っていく。その無力さに挫折を繰り返しながらも、他の人間とは明らかに違う「自らに課せられた役割」を探して闘い続けるのだ。「強い」とか「美しい」とか「神々しい」とか、そのようなすべての形容詞を並べてもなおナウシカを表現することは出来ない。全ての言葉や感情を超越した存在。もしも「優しさ(厳しさ)」とか「強さ(弱さ)」とか「愛(憎しみ)」だとかをカタチにすることができたら、それが「ナウシカ」なのだろう。[良:2票]