飲んだくれの男どもに振り回される、しかしたくましい母親という .. >(続きを読む)
飲んだくれの男どもに振り回される、しかしたくましい母親というのがロシア人の家族一般のイメージだけど、この作品では男性が血のつながりの有無を超えた子供たちを抱えて彷徨する物語となっており、この意味で「新しい家族」と題されたのであろう。勝手な推測だが、いまではもう珍しくもなんともないんだろうなあ。けなげな娘ポリーナの父親を見守るがごとき眼差しに、なんとなくロシア的「母」さらにいえば聖母の面影を読み取るのは、深読みに過ぎるだろうか。また口の利けない、なんとなくアジア系に見える養子の少年が、主人公パーヴェルの包容力を暗示しているようで印象深かった。