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<ネタバレ>3D画面は迫力がある。高い木の上を縦横無尽に飛び跳ねる風景、空中に浮かんだ山によじのぼっていくところ、鳥にまたがった空中戦など、テーマパークのアトラクションのようなどきどき感が楽しめる。映画館で、吹き替えで見るのが正解だ。
豊かな森の情景や、夜景の描写などはとても美しく、感動的でもある。
ストーリー自体はとてもシンプルだ。異文化の人々にとらわれた人が、最初は反発しながらも、いつしかその精神性にうたれ、最後にはそちら側の味方となって、かつて属していた側と戦う。「ラストサムライ」と同じ構図。「刑事ジョン・ブック 目撃者」あたりも思わせる。
より高度な文明をもった民族が、自らのエゴのために、それより劣った旧来の文明をもつ異民族に対して侵略をしかけ、その文明を容赦なく破壊するという構図は、アメリカの西部開拓のみならず、大航海時代、ゲルマン民族の移動、大東亜戦争、弥生人による縄文人の駆逐などなど、太古の昔から繰り返されてきた人間の歴史でもある。
多くの場合、軍事力において圧倒的に劣る旧来の文明はなすすべもなく敗北し、破壊されてしまうのが現実だ。しかしこの映画では、ナヴィ側が勝利し、ハッピーエンドとなる。
固い結束と強い意志があればどんなことも達成できるというメッセージなのかもしれないが、現実には、土壇場になって元寇のように「神風」が吹いたおかげ。そのメッセージも理想論にすぎないという感じもする。