この作品に失望した人達の気持ち、良くわかります。極上のトロの .. >(続きを読む)
この作品に失望した人達の気持ち、良くわかります。極上のトロの刺身に、ケチャップソースを掛けて出されたような、何ともチグハグな違和感のある作品ですよね。極上のトロというのは、「人の生き方」という、この映画のテーマです。主人公の妻が死ぬ間際に言う言葉、「見て!」。主人公は最後にこの言葉の「サイン」を「見る」んですね。ぜんそくの息子。異様に神経質な娘。人生に挫折した弟。妻を亡くして、信仰心を失った夫。そんな負の要素を背負った人間ばかりだけど、見方を変えればそれらをバネにして強く生きることもできるじゃないか。そういう救いと再生の物語と解釈できますよね。でも、そういう話をこんな宇宙人ネタでやる必要があるの?しかも昔のお化け屋敷みたいなコケおどかしばっかりで。調味料のせいで、せっかくのご馳走が台無しという、何とも歯がゆい映画でした。