この映画のテーマは望郷なのでしょう。ああ田舎に帰りたいなあ。 .. >(続きを読む)
この映画のテーマは望郷なのでしょう。ああ田舎に帰りたいなあ。そんな誰しもが持っている感情をくすぐったに過ぎないのかも知れません。俳優陣の演技も決して上手いとは言えず、ひとり輝きを放つ原節子氏も妙に不自然な目線と色っぽさで浮いているとしか思えません。半世紀前の映画とはいえ。悲しいことに「東京物語」で描かれているような親子関係はさらに悪化している。彼等夫婦が言っていた通り、平気で親を殺す時代。なんぼかまし、幸せな方なのだ。親は子供の考えていることが分からず、子供は親の考えていること等興味がない。それはそうなのだが、あまりにも親子の間に壁があり過ぎて、幼少の頃や青年期になにかあったとも思える描写が気になる。父親がよく酒を飲みそれが嫌だったというが、その程度の事でこの扱いはあまりに大人気ない。もうみんな良い歳なのだから知人や友人の死を経験して、人の痛みを理解して良いはず。すばらしい映画なのですが、なにか感動できるものが欲しい一本です。