<ネタバレ>「道」などの大作で知られるフェリーニ監督のアレゴリカル(寓話 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>「道」などの大作で知られるフェリーニ監督のアレゴリカル(寓話的)な小品佳作として見る価値が大いにあります。冒頭の教会内部の案内と団員の自己陶酔的な自己紹介(「私はこの楽器に選ばれた。」なんていうのもいる。)で「寓話モード」に頭がマインド・コントロールされてしまいます。(注:過激な言葉ですが巨匠といわれる監督が共通して用いる手法でエンドロールと共に解けるので人体や精神生活に悪影響はありません。)もし違った結末になるのだったらその過程はどのようなものかと想像してみるに・・・まず途中で役割を放棄してグランド・ピアノの下でうじゃじゃけていたピアニストの姉ちゃんがすっくと起き上がってショパンの革命のエチュード(英雄ポロネーズもいいな)を弾き始め、バイオリニストがチャイコのカデンツァを弾き始め、チェリストがバッハの無伴奏組曲を弾き始め、ソロ演奏のレパートリーがない団員は拳を振り上げてビートルズの「レボルーション」を歌う。そうこうするうちに、団員間で銃撃戦が始まって誰がレーニンか毛沢東か、はたまたカストロか金日成かが決定される・・・あれ、結末はやはり同じだ・・・。