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<ネタバレ>オペラにあまり詳しくない方のため一言。劇中劇の「カルメン」の主役カルメンはソプラノ(マリア・カラス)ではなくメゾ・ソプラノかアルトの役柄です。わたしもマリア・カラスが歌っている「カルメン」のCDを持っていますが、マリア・カラスにしてみれば(劇中でも「カルメンは別物。」と言っていますが)「頼まれたから自分の得意分野ではないけれどしかたなく歌ってあげた作品」なので、口パクも簡単に引き受けたのだと思います。「トスカ」は引き受けたような引き受けてないような・・・。彼女の十八番はやはり「椿姫(ラ・トラビアータ)」です。椿姫(ソプラノ)が歌うアリアの難度は非常に高く、声量が要求されるのでマリア・カラス以外の痩せ型ソプラノ歌手がうまく歌えた例は極めて稀なようです。肺病で死にかけているはずの椿姫の役を太ったソプラノ歌手がやって上演期間中笑いの種になったこともあります。だから、中年を過ぎて美貌とすらっとした体型を保ったカラスが口パクのビデオ版「椿姫」の製作を許したのか・・・恐らく頑強に拒否したのでしょうね。おまけですが、一流俳優の口パクに上の中程度の歌手の声を載せたビデオ作品にはソフィア・ローレン主演の「アイーダ」があります。プレイボーイとして名高い(実際は堅物)のプラシド・ドミンゴ(テノール)が歌うモーツアルトの「ドン・ジョバンニ(バリトン)」も聞いてみたいです。主役のあまりのワルさ加減のせいでいくらうまく歌っても主演歌手はカーテンコールで拍手してもらえないんです・・・でもあんなに太ったドミンゴではやはりうけないかもしれません。