同じベトナム戦争の時代を扱ったおとぎ話風の作品「フォレスト・ .. >(続きを読む)[良:1票]
同じベトナム戦争の時代を扱ったおとぎ話風の作品「フォレスト・ガンプ・・・一期一会」に8点をつけたのでこの作品は9点か10点しかありえないのですが、下の二人の方の10点と全米平均の8点を横目で睨みながら真ん中の9点をつけます。ベトナム戦争の是非なんていう天下国家の問題を扱った作品じゃないし、それに「フォレスト・・・」でのトム・ハンクスの演技が光っていたので点数を離したくなかった・・・なんていうのは屁理屈なので無視していただいて結構です。一言、「良かった。」と書くだけでも十分なのですが、これから鑑賞される方のためにもう少し詳しく書いておきます。まず、「フォレスト」との比較になりますが、この時代を描くのにCGをあからさまに使わなくても、大統領の実写を使わなくても、主人公のIQが平均より低くなくてもOKどころかそのほうが作品を「おとぎ話」として成功させています。年月の経過とともにつらかった事実の記憶は風化し、父エドワードがベトコンの拠点に乗り込んで捕虜になるか殺されるかのシーン(会話はベトナム語でアメリカでの上映でも字幕が入ります)でさえもノスタルジックに脚色され、密林のゲリラ戦で恐れられたベトコン兵たちの結構可愛い日常の素顔が印象的でした。ベトコン兵のカンフー張りのアクションにはまいりましたが・・・ベトナム人って本当にこんなことするの・・・でも楽しいシーンでした。この他にも、桃源郷(理想郷スペクター)、サーカス、空の落書き、水仙などの数々の美しい場面が網膜に焼きついて離れません。父エドワードは激動の時代にいろいろつらいことも経験しただろうけれど、息子に語る内容は楽しいことばかりになっているのようなので、この人の人生は結構幸せだったと言えるでしょう。[良:1票]