おそらく『AKIRA』的な世界観を求めて観てしまうと肩透かし .. >(続きを読む)
おそらく『AKIRA』的な世界観を求めて観てしまうと肩透かしを喰らうであろう。映像美は申し分ない。大友氏もこだわっただけことはある。特にロンドンやマンチェスターの風景描写には目を瞠るものがあった。しかし気になる点は大いにある。最大のネックはストーリーの破綻、これに尽きるだろう。場面はどこかで観たようなシーンが多くオリジナリティを感じられず、声優にもやや違和感あり。辻褄の合わない箇所も見られ、強引に映像の迫力のみで展開している印象を受ける。人物設定は子供向けにわかりやすくしているのだろうが、逆にチープな印象を植え付けてしまった。多くの方がレビューで宮崎氏の『天空の城ラピュタ』を連想したようだが、私もその一人である。文明進化への警告を隠喩している点や、少年と少女の冒険活劇(風味)といった部分がそう思わせるのだろう。大友氏には世間に媚びたりせずに独特の世界観を今後は貫いていってほしいと願わずにはいられない。