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映画において受け入れられる設定と受け入れられない設定は確かにあると思う。『裏窓』という設定が受け入れられないのは、ちょっと寂しいというか、悲しいというか、可哀相な気がするが、僕にとって本作がヒッチコック監督の作品の中でも大好きなのは、実はスリルとサスペンスの部分ではなく、なんともほのぼのとしたお洒落なドラマの部分である。だから、実際には事件は発生しておらず、ただの主人公の勘違いで終わっていたとしても全く問題なし。特にG・ケリーの綺麗な顔が画面いっぱいにでてくる登場シーンは、映画『第三の男』の並木道が映し出されるラストシーンを美しい風景画を描いたベストショットとすると、美しい人物画を描いたベストショットと言っても決して過言ではない筈だ。また、脇を固めるセルマ・リッター、ウェンデル・コーリー、レーモンド・バーの演技も秀逸で見逃せないでござるよ。