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<ネタバレ>確かにいい映画だとは思う。どのカットも丁寧に撮られているし、役者も見事にハマっている。アーヴィング自身が脚本を書いているだけあって、密度の濃い話が2時間で過不足なく描けている。しかし、原作は読んでいないが、もう少しアーヴィングらしさというか、ちょっとグロテスクでちょっとコミカルな演出があってもいいのではないか。単なるヒューマンドラマやラブストーリーに流され気味で、堕胎や近親相姦、戦争や徴兵などについて、扱われ方が中途半端な印象を受ける。ホーマーの成長物語という面でも、彼自身の内面の大きな変化が充分には感じられない。表面的には、堕胎手術を行うようになるということが変化なのだが、そこに至る内面の葛藤が共有できない。よくできていて素敵な映画だとは言えるが、やはり2時間ではこじんまりまとまりすぎてしまったのではないだろうか。