そう来ると思ったぜ、エメリッヒ監督さんよ。次第に偽アメリカ人 .. >(続きを読む)[良:1票]
そう来ると思ったぜ、エメリッヒ監督さんよ。次第に偽アメリカ人の仮面を外して、ドイツ人の本性を現し始めましたなァ。ヨーロッパ映画好きのオイラは、このヒーローなしのディザスター・パニック映画でヨダレじるじる状態ですわもう。嘘っぽいCG上等。結果論だけど、いま話題のアイバンの衛星写真だって似たようなモンだったよ。対流圏を突き抜けて降りてくる-100℃の高層大気は、ちょっとイマイチかな(多分、ビルのコンクリートとか脆くなって倒壊するし、空気が薄くなって空にはオーロラが出ますな)。あと本を燃やす前に、まず内装の木材を燃やそうよ。あれは勇み足として減点。でも、いたる所に溢れる「常識よりもまず理性を重視する」「全員がひとつの目標に向かってガンバる」というドイツ人魂には震えが走る。天変地異の結果、先進国が南の諸国に見を寄せるという結末も、合理性を重要視するドイツ人らしさがよく出ている(現実のアメリカなら世界の米軍基地を使ってもっと悪どく立ち回りそうだ)。
実は、おそらくこの映画のアイデアの元(のひとつ)になったであろうアメリカSF(『悪魔のハンマー』)がある。数多くのシーンがクリソツなんだけど、決定的な部分では意味が逆転している。これはもしかするとエメリッヒ版『スターシップ・トゥルーパーズ』なのかもしれない。考えてみると「アーリア人が云々!」とか叫んでた時代から、はや土下座外交半世紀のドイツ。その結果がエメリッヒという人間になった。この映画になった。どうも、エメリッヒとアメリカのハネムーンは終わりが近そうだ。これからが彼の正念場だと思う。●これのどこがドイツ映画なのかわからない方は、100%のドイツ映画『Uボート完全版』『ジェットローラー・バス』と比較してみるべし。危機からの脱出シチュエーションがどれだけ似ている事か![良:1票]