<ネタバレ>戦争という大きな重圧が吹き払われた後にくる、解放感。
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<ネタバレ>戦争という大きな重圧が吹き払われた後にくる、解放感。
抑圧されてきた欲望が噴出し、そのこと自体が肯定すらされる傾向は、どの国・地域においても大なり小なり共通する社会事象です
(わが国であれば、坂口安吾の小説や石原裕次郎の一連の作品あたりを想起すべし)。
ここぞとばかりに物欲と色欲に走る派手な女。それを冷たく眺めるストイックな姉。その姉の秘めた愛に何となく気づきながらも、妹を娶り、自らもささやかな欲求に耽る男。競馬と油井採掘で一発当てようと企む山師の義父。
ありきたりといえばありきたりな構成でしょう。
個人的には、60年代後半からのニューシネマ同様、こういう欲望肯定的な時代背景モノが苦手なのですが…(ついでに、E・テーラーのゴテゴテしたルックスも苦手。笑)。
もちろん、単純な欲望肯定ではなく、遊び好きの女房に辟易するV・ジョンソンの柔和で気弱な容貌や、あるいは、必死に自らを抑制しようと努めているかのごときD・リードの堅物な佇まいに象徴される通り、欲望と自制の狭間で揺れ動く人間性も巧みに描かれている点には、好感を持ちます。
邦題は素直にカッコいいと思います。(題がほとんどネタバレというのもすごいですけど)