骨太にして繊細、重厚にして軽妙。このうえなく深いテーマをさら .. >(続きを読む)
骨太にして繊細、重厚にして軽妙。このうえなく深いテーマをさらりと表現してしまう手腕はすごい。思い切りシリアスで考えさせられる話なのに、押しつけがましいお涙頂戴的な部分がないのも素晴らしい。主役級の二人の人物造形が絶妙なバランスの上に立っていて、互いの良さを引き出し合う関係になっている。さらに音楽の使い方のセンスは抜群だ。本編中ほとんど音楽は使われない。しかしここぞという時の現実音の取り込み方が上手く、余計なBGMが入っていないことさえ音楽的表現になっていると感じた。