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<ネタバレ>アメリカのコメディって大げさすぎて笑えないものが多いけど、この映画はその点まったく問題ない。何度もおなかを抱えて笑うことができた。少なくとも個人的には笑いどこはすべて笑える、すべり知らずの作品。また、作りが丁寧で遊び心がいっぱい。ゾンビにも個性があったり、DVD特典としてプロットの欠落部分がコミックバージョンでカバーされていたりと、隅から隅まで楽しめる作品となっている。 それに、実はダメ人間へのエールになっているところもよかった。ショーンはいまいちやる気がなく、たいしたとりえもなく、失敗ばかりの冴えない奴なのだが、その彼にも愛してくれる人や励ましてくれる人がいて、ラストには「だめでもいいじゃん」といういい意味での開き直りがある。ショーンを見捨てたはずの彼女も一緒に「意味のない」生活を送っているし、究極の足手まといになっていた親友も見捨てていない。 本家「ゾンビ」ではけっこう堅苦しいテーマがあって、ゾンビを死人みたいな現代人の象徴として皮肉っていた。一方、この作品は題名の通りショーンのようなダメな人をゾンビが象徴しているわけだが(深読み?)、そこにあるのは皮肉や批判ではなくて、やさしい励ましだ。大失敗をやらかしたとき、友達が肩を叩いて励ましてくれるような感じ。僕はエンディングテーマもそういう意味で受け取った。後味がとてもいいのは、映画制作者たちのゾンビに対する愛情はもちろん、人間に対する温かい視点があるからだと思う。