ただし、たぶん自分が子供だからだろう、これがウディ・アレン流 .. >(続きを読む)
ただし、たぶん自分が子供だからだろう、これがウディ・アレン流なんだろうというのはわかるのだけど、正直あまり楽しめなかった。
台詞は笑えるけど、ウディ・アレン独特の早口で滑舌の悪いしゃべり方が聞いていて苛々してしまう。核心に触れずに皮肉を織り交ぜながらの話がまどろっこしく、しかもそれがここぞという場面でも同じなのでげんなりした。さらりと描いている割りに内容はどろどろしてて、主人公の都合の良さには引いてしまった。美男美女が登場しないのも意図的なんだろうけど、観ていて辛い(ごめんなさい…)。主人公の十七歳の恋人なんかは美容院で注文を間違えたビョークにしか見えない。「きれいだよ」とウディが言うたびに「お前はどこを見ているのか」とつっこみたくなる(重ね重ね、ごめんなさい…)。
きれいな幕切れといい、非常に完成度の高い作品であるとは思う。あと二十年くらい経ってから観直せば、印象が変わるのだろうか。
ところで、『ハンナとその姉妹』でも思ったけどやっぱりウディ・アレン作品の字幕にはもっと気を使って欲しい。洒落たユーモアの魅力が雑な翻訳のために半減しているように思う。