強力な伝染病の話を思い出した。致死率が五割を超えるエボラ出血 .. >(続きを読む)[良:1票]
強力な伝染病の話を思い出した。致死率が五割を超えるエボラ出血熱の一種は、宿主たる人間が減りすぎて、病が広まる前に死に絶えてしまったのだ。並外れた攻撃性は諸刃の刃となる。 ちょっとした気に食わないといっては人を殺し、分け前が惜しいからといってはまた殺す。ここまでくると凄みがあるとかいう以前に、バカである。いくら非合法組織といえど、信頼関係もなく裏切りを当然のものとすればいずれ組織が立ち行かなくなるのは目に見えている。「道から外れたものはすぐに殺し、恐怖で統制を取る」という台詞があったが、逆効果だ。恐怖がもたらしたのは疑心暗鬼と混乱、そして破滅。頭の悪いチンピラの物語は『ゴッドファーザー』のようにかっこよくはないものの、徹底したリアリズムには惹きつけられる。 ただ実話だから仕方ないが、終盤が退屈。麻薬が絡み始めてから失速し、尻すぼみに終わってしまう。つかみは素晴らしいし、趣味のいい音楽にのせて流れるストーリーはなかなか楽しめたのに、終わり悪ければ全て悪し。結末で一気に評価が下がった。[良:1票]