サスペンスが娯楽となって、誰にも分かりやすく伝わる上級クラス .. >(続きを読む)
サスペンスが娯楽となって、誰にも分かりやすく伝わる上級クラスの映画。ヒチコック監督の手慣れたマジックを観ているかのようにあれよ、あれよと観客も巻き込まれていく。どうなるのか、先の読めない展開で、話は視覚的にもビルから列車へホテルから畑へ、山荘から彫像の山へ、めまぐるしく変化します。まるで「謎」を旅行鞄に詰めて、彷徨うように。ここらへんの突き放し加減が面白く、視覚伝達のうまさも加わり、ハラハラのバランスも丁度に。映画の教科書があるなら、こんな本なんだろうな、の作品です。特に、カメラやカット割、構図などは非常に勉強になります。まあ、そんなこと考えるのも2回目以降で、最初はやっぱり夢中になります。