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<ネタバレ>黒澤明監督の凄い部分が全て出た作品だと思います。画面から溢れ出てくる、俳優達の演技も、台詞も、炎や雨さえも、黒澤明自身の情念で描きだした産物であるかのよう。作家のパワーが、これほどまでに観客の1人1人に届いた映画も珍しいのではないでしょうか。観た人に必ず何かしらのインパクトを与えます。今よりも舞台装置や撮影技術が進んでいない時代に、娯楽性を十二分に持たせ、完成させた、当時としてはあまりにリアルな時代劇。「お茶漬けさらさらじゃなくて、分厚い肉のステーキみたいな時代劇を撮りたい」と言っていた黒澤監督。その言葉通り、今観ても、これはすごいメインディッシュです。これ1本で1週間分の食事はなくてもいいとさえ思ってしまいます。特に、雨の合戦のシーンは今だに鳥肌が立ちます。わなわなと心が震えてきます。
この迫力、この感動。同じ日本人として、誇りになる1本です。