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<ネタバレ>やはり職人監督。ドナーの手にかかれば、何でもない16ブロックという距離が、映画の面白さとなってこんなにも昇華されるなんて。証人を裁判所へ送り届けるだけの簡単な仕事。その任をまかされた初老の刑事、ブルース・ウイリス。俳優というのはどんな役にも化けるものだが、今作のブルースは特にいいです。何だかやる気のない、けだるい、体もキレのない、言葉は悪いがもっさりとした印象で始まるのですが、物語が進むに連れ徐々に、カッコ良く見えてきます。証人とも最初は、会話もなく、ムスッとしていたのに、段々人間らしさとして色がついてくるような、そんな展開が画面に集中させてくれます。あんだけ人がいても、誰も2人のことは知らないし、知ることもありません。孤独であることも、あの雑踏が演出しているみたいで、ぐっと来ます。バスや救急車、テープレコーダーの使い方も、ベタなのかも分りませんが、自分には非常に上手くみせているなと思いました。監督との相性というのか、ドナーの作るものには妙な安心感がありますね。俳優の使い方もうまいですし。[良:2票]