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<ネタバレ>これは恋愛映画なのですが、同時に大きな歴史のうねりの前にあっては、個人の力や常識など「無」にひとしくなる、そのはかなさや危うさを謳った映画でもあります。その中に希望を見い出そうとする、人間としての欲求、それがラ-ラという女性への「愛」だったのですが。雄大なロシアの自然を舞台に、これでもかという逆境に遭遇し、乗り越えるジバゴ。一途に追い求めるが故、離されていく距離もひろがる2人。最後、ラ-ラを街中で見かけて、追いかけるも、命つきてしまうジバゴには、哀れな男の終焉を見た気がします。しかし、2人の間に生まれた新たな命が、ラストの「バラライカがうまいのか。遺伝だな」の言葉で、祝福される時、歴史の変貌の中でも確実に芽となり、育まれたものがある、それが人間の「愛」だと静かに訴えて来ます。やはり名作というものはどこか違うんだと、深くうなずく自分がいるのでした。